『ずるい考え方』 木村 尚義
「わたしは1か月もかけてやっとできたのに、あなたはどうして1日でできてしまうの?ずる~い!」
というようなセリフ、実によく聞きます。
この「ずるい」という言葉の中には、「わたしの苦労した時間を返して!」「そんなウマイ手があるなら、早く教えてよ!」「それは反則でしょ!」「努力したわたしの偉さは変わらないのよ!」などの、複雑な気持ちが混ざっています。
その気持ちは分からないでもないけど、短時間でパッとできてしまう方法って、本当に「ずるい」のかなぁ?本当は、「頭のいいやり方」と呼んだ方がいいんじゃありませんか。それまで当たり前だと思ってやっていたことを、前知識なしに考えてみると、ずっと簡単な方法が見つかることってありますよね。
この本の中にこんな例題が出てきます。
13個のオレンジを3人で分けるにはどうすればいいのでしょう?
まずは普通の考え方。3人に4個ずつ分けると計12個、1個余ってしまいます。ここでハタと考えます。これをどうやって分ければいいの?1/3に切ればいいのかしら?
ここで、違う考え方をしてみます。オレンジは個体差があるので、重さを量って同じ重さになるようにして分ければいいなんて考え方もあります。でも、これはけっこうめんどうですよね。
3番目は、こんな方法です。「13個のオレンジをジュースにして3等分する」
こういう、画期的な考え方(ラテラルシンキング)ができたら、世の中の無駄な仕事がずいぶん減るでしょうね。でもね、無駄を全部省いてしまってもいけないのだそうです。その辺のバランス感覚というのも大事なのでしょうね。
とにかく、いろいろと考えてみることがラテラルシンキングの第一歩のようです。そんなに厚くない本なので、こういう考え方に興味のある方は是非ご一読を!
1486冊目(今年11冊目)☆☆☆☆
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» 「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」 木村 尚義 [日々の書付]
「ずるい考え方」というよりは、「目からウロコの発想法」です。
「ずるい考え方 ゼロから始めるラテラルシンキング入門」は論理よりも、最短距離で答えに到達するための発想法(ラテラル・シンキング)。
そのためには、私達が普段思っている「常識」をぶち破ることが重要なのだそうです。
この本にはそのラテラルシンキングの例題がいくつか載っているのですが、どの答えも、「その手があったか!」と感心する答えばかりです。
「13個のオレンジを3人の子供に公平に分けるには」→ジュースにする
「計算時間がかかる... [続きを読む]
常識にとらわれず、最善の策を講じることは、簡単なようで難しいことです。ジュースにするの答えには私も「この手があったか!」と驚きました。
読んでいて、前にご紹介いただいた「ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか」でも、自分たちの常識にしばられない交渉力について書かれていました。
いかに通常、私達が常識に縛られているかってことですよね…
投稿: 日月 | 2013年2月 5日 (火) 16:15
日月さん☆こんばんは
わたしたちって、常識に囚われてしまってるんですよねぇ(-_-;)
「傍目八目」っていいますけど、関係ない人の方が自由な目で見られる分、斬新なアイデアがでるのでしょうね。
1人ブレインストーミング、やってみようと思います。
投稿: Roko(日月さんへ) | 2013年2月 6日 (水) 00:08