『踊ってはいけない国、日本』 磯部 涼
中学校の体育の授業にダンスが取り入れられるようになり、世間で流行っている音楽もK-POPを中心にダンスミュージックがほとんどです。
一方、ダンスする人をターゲットとして営業しているディスコやクラブは、風営法という法律の下、どんどん弾圧されている状態です。ここ数年強力な手入れが行われ、大阪では壊滅的な状態なのです。
なぜ、そんなことになってしまったのかと言うと、風営法の定めるところによると、営業時間は午前0時あるいは1時までと制限されているからなのです。こんな法律知ってましたか?そんな時間で営業を終了しろって?何考えてるんだっていいたくなる法律です。
学校の授業ではダンスを教えているのに、町に出ると踊る場所がないってのは、どう考えても変でしょ?
日本の法律って「安全に」「穏便に」ばっかり考えているから、ドンドン訳の分からない所へ行ってしまう典型が「風営法」なのかもしれません。
暗い話が続いてしまったので、ここでダンス好きにとってステキなお話を1つ。
アフリカのバントゥー族の挨拶は、すべてが踊りに結びついているのだそうです。「こんにちは」も「こんばんは」も「さよならも」全部同じ言葉。
日本だったら「こんにちは」「こんにちは」という会話が、こちらでは「お前は踊ってる?」「踊ってるよ。踊ってる?」「踊ってる!」なんですって!ああ、なんてステキなんだろう!
日本ではダンスが日常にまだ溶け込めていないから、いろんな矛盾が噴出してしまっています。AKB や KARA を当たり前として育った子供たちが大人になったころ、日本のダンス環境はは変わっているのでしょうか?
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