『間抜けの構造』 ビートたけし
「間に合う」「間が持たない」「間違い」「間が悪い」そして、この本のタイトルにもなっている「間抜け」など、日本人にとっての「間」とは、社会生活を送るために必要なものと捉えている方が多いのではないでしょうか。
集団の息を合わせるというような「団結心」を表すことも多いし、他者との距離感という意味での「間」というのは、わたしたちの心の底に根を張っているような気がします。
お互いがストレスを感じないようにという意味で存在する「間」なのに、それを意識し過ぎて何もできなくなってしまっている人が最近本当に増えてきました。「間」を突き詰めると「魔」になるのだという怖さを感じます。
たとえば、「結果をイメージしないと正しく動くことができない」と自己啓発本に書いてありますが、これだけが総てじゃないですよね。でも、それだけが正解だって信じてしまう人が余りにも多くて、ビックリしてしまいます。
その通りだとしたら、「イメージできないことは何もできない」になってしまいます。
そんな頭でっかちになっちゃうから、「自分が見つかりません」なんてことになっちゃう!
ガムシャラに突っ走って行ったら、何かにブチ当たるってことだってあるじゃないですか。何でもいいからコツコツ頑張っていれば、きっと何かいいことがあると信じて、前進するしかないでしょ!
間抜けと言われようが、KYと言われようが、タケチャンのように自分の信じる道を突き進める人が一人でも増えれば、日本はもっといい国になるのにね。
1505冊目(今年30冊目)☆☆☆☆☆
« 『夜の国のクーパー』 伊坂 幸太郎 | トップページ | パワースポット? »
「新書」カテゴリの記事
- 『カーストとは何か インド「不可触民」の実像』 鈴木真弥 25-20-3416(2025.01.24)
- 『江戸の貧民』 塩見鮮一郎 25-13-3409(2025.01.15)
- 『世界は経営でできている』 岩尾俊兵 25-6-3402(2025.01.07)
- 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』 三宅香帆 24-366-3392(2024.12.26)
- 『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一 24-360-3386(2024.12.20)
「日本の作家 は行」カテゴリの記事
- 『江戸デザイン学。』 ペン編集部 25-15-3411(2025.01.17)
- 『また団地のふたり』 藤野千夜 25-10-3406(2025.01.12)
- 『楽園のカンヴァス』 原田マハ 25-16-3412(2025.01.19)
- 『黙って喋って』 ヒコロヒー 25-5-3401(2025.01.06)
- 『力道山未亡人』 細田昌志 24-361-3387(2024.12.21)
コメント