『なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか』 嶋 浩一郎
読書とは旅である
読書とは、自分の知らない世界への旅なのです。自分ではない誰かの人生を体験したり、知らない街を歩いたり、違う時代を訪れてみたり、自由自在に旅に出ることができるのです。
旅で出会うのは、実に様々な人たち、様々な景色、その出会いがわたしの血となり、肉となるのです。何かの拍子に突然脳裏に浮かぶあの言葉は、わたしの頭のいったいどこに隠れていたのでしょう?こうやって気付くこと以外にも、きっとわたしの毎日の暮らしのどこかで、様々なことが読書によって得た知識からわたしの行動を左右しているのでしょう。
本は読むまで役に立つかわからない
それは、タイトルが良かったからなのか?表紙が気に入ったからなのか?それとも誰かに薦められたからなのか?手に取った本が役に立つかどうかは読んでみないと分かりません。だからその本を読んでみて、つまらなかったら途中で止めたって構わないのに、最後まで読もうと思うから辛いのよ。ダメだと思ったら次に行きましょ!
誰かにとって面白いもの、役立ったものだからといって、わたしにとっても同じように面白いものとは限らないんだから、自分の感性に合わないなと思ったら、そこまででいいんですよ。
検索と読書で見つかるものの違い
検索という作業は、ある言葉やテーマに対しての検索だから、それに直接関わる事しか見つけることはできないんです。それに対して読書と言うのは、本の中に何が出てくるかは分からないんです。自分が想像していたものが出てくるかもしれないし、出ないかもしれない。自分の想像以上のものが出てくる可能性もあるわけです。
自分の想像の範囲なんてたかが知れてるんだから、検索しているだけでは自分の枠から外れることってなかなかできません。本の中には自分にとって未知のものが数限りなく登場するから、自分の枠とは無関係な広がりが見つけられるんです。だから読書は面白いんです!
本を選んだり買ったりするとき、ネットの書店は確かに便利です。でも、ネット上での検索には限りがあるんです。自分の思考の枠内でしか調べてないですからね。
それに対して、リアル書店には何が待っているか分からないんです。書店によって品揃えも違うし、同じ書店の同じ棚であっても、別の日に行ったら違う本が並んでいるんです。今までノーマークだった作者の本に出合えた時、その時こそが、自分の殻が一枚破れる時なんです。
ちょっとヒマがあったら書店へ行く。待ち合わせには書店を利用する。それだけでも毎日が少し変わってきますよ。絶対に!
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