ブログ内検索


  • ダメでもいいからやれ。
    体験もしないでお前ら、
    すぐに「ダメだ」って言うのは、
    学校で聞いただけの話だろう。
    やってみもせんで何を言っとるか
    (by 本田宗一郎)

読書Love!

  • 本が好き!
  • NetGalleyJP
    プロフェッショナルな読者
    グッドレビュアー 100作品のレビュー 80%

« 命のつどい ふれあいコンサート(ダンス発表会) | トップページ | 『リバーズ・エッジ』 岡崎 京子 »

『ことり』 小川洋子

ことり

小川洋子

 幼稚園の鳥小屋を、ボランティアとして面倒を見ている男性のことを、園児たちは「小鳥の小父さん」と呼んでいました。きっと園長先生も、他の人たちも、彼のことは単なる「鳥好きの小父さん」と思っていたのでしょう。

 

 小父さんには、小鳥が大好きなお兄さんがいました。小鳥と会話ができるようになったお兄さんは、しだいに人間との会話ができなくなり、唯一彼の話が聞き取れる弟(小父さん)とだけしか会話ができなくなってしまいました。

 

 両親が亡くなった後、小父さんは管理人として働き、生計を立てていました。毎日決まった時間に起き、決まった時間に出かけ、同じものを食べ、淡々とした毎日を送っていたのです。

 

 そんな小父さんの人生は、単純なようでいながら、どこからか小さな波風が立つのです。その波風に動揺したり、勇気を振り絞って立ち向かったり、反省したり、喜んだり、毎日同じように見える毎日ですが、同じ日は2度と来ないのです。

 

 小川さんが書かれる本にいつもある、静かな流れが今回も感じられました。ああ、すてきな世界だわ!

 

1524冊目(今年49冊目)☆☆☆☆☆

 

トラックバック先
苗坊の徒然日記

« 命のつどい ふれあいコンサート(ダンス発表会) | トップページ | 『リバーズ・エッジ』 岡崎 京子 »

日本の作家 あ行」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
小父さんの生活は決していいものではないですし、境遇も可哀相な気もしますが本人はきっとそう思っていなくて、小父さん独特の時間の流れ方が良いなと思いました。
小川さんの描かれる世界観は私も好きです。

苗坊さん☆こんにちは
幸せの尺度は、人それぞれですから、あれで良かったんじゃないかと思います。
自分らしく生きていけること、それこそが幸せなのだと思います。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ことり』 小川洋子:

» ことり 小川洋子 [苗坊の徒然日記]
ことり著者:小川 洋子朝日新聞出版(2012-11-07)販売元:Amazon.co.jp 12年ぶり、待望の書き下ろし長編小説。 親や他人とは会話ができないけれど、小鳥のさえずりはよく理解する兄、そし ... [続きを読む]

« 命のつどい ふれあいコンサート(ダンス発表会) | トップページ | 『リバーズ・エッジ』 岡崎 京子 »