『図解 よくわかる大人の発達障害』 中山 和彦 小野 和哉
他人と話をする時に異常に緊張してしまう人。指示通りにしか動けない人。話をちゃんと聞けない人。メモが取れない人。あいさつの声が小さい人・・・。真面目で手を抜くような人ではないのだけれど、何故か基本的なことができない人っているんだなぁと、これまですっと疑問に思っていました。
現在の調査によると、広汎性発達障害(PDD・社会性、コミュニケーション能力の不足)は100人に1人、ADD/ADHD(集中困難・過活動・不注意など)は100人に3人の割合で存在すると言われており、40人のクラスがあれば、1人は発達障害者がいるくらいの割合になっているのだそうです。
子供の発達障害は昔から認識されており、大人になれば改善されると考えられていたのだそうです。でも実際には、大人になったら治るというものではないのです。こういう症状を持っているという事を理解されないまま、悩み続けている大人がたくさん存在するのです。
社会に対して、こういう人たちがいるという事を理解してくださいねと伝えても、それを容認できる余裕のある仕事場はなかなかありません。ですから、こういう障害を持っている人自身がある程度の社会性を訓練して見に付けることが大事だと、この本では解説しています。
「誰かに会ったら挨拶をする」「清潔な服を身に着ける」といった、本当に基本的なところが大事なのだというようなことが図解で説明されています。
そうか、そういう部分が大事なんだなと思いながら読み続けていたのですが、ふと気が付いたのです。
こういう障害がある人だけではなく、現代のすべての人に欠けているのが、そういった基本的なコミュニケーション能力なんじゃないか?ってことなんです。
はっきりとした声でにこやかに挨拶ができる。
これが最初の一歩かな?と思います。
自分には、こんな障害は関係ないと思わないでください。気が付いていないのは自分だけかもしれないのですから。
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