『脳はこんなに悩ましい』 池谷 裕二 中村 うさぎ
この本の中で、池谷さんとうさぎさんが遺伝子を調べてもらって対談している所があるのですが、これがとても面白かったんです。
人間の遺伝子にはいろんな種類のものがあって、たとえば「高血圧になりやすい」とか、「薬物依存になりやすい」なんてものがあるのだそうです。なるほどね、同じようにお酒を飲んでいても、アル中になる人とそうじゃない人がいるのは、遺伝子の仕業だったのね!
「近視になりやすい」「走るのが早い」「持久力がある」なんてのも、遺伝子に書き込まれてるんですって。それぞれの人が持つ、得意不得意とか、身体能力などが遺伝子に関係あるっていうのは、背の高い親から背の高い子供が生まれるって感じで、理解しやすい部分です。
そんなお話の中で、わたしが一番ビックリしたのは「学習能力」の遺伝子があるということです!
たいていの人は一度痛い目に合うと、二度目からは気を付けますよね。ところが、二度でも三度でも同じ痛い目に合う人っていますよね。財布や家の鍵などの大事なものを、何度でも忘れたり、無くしたりする人がわたしの周りに数人います。
わたしはこれまで、こういう人って注意力散漫だからなのかなぁって思っていました。スイマセン、そうじゃなかったんですね。これもまた遺伝子の成せる業で、本人がどんなに気を付けても、またやっちゃうんだそうです(^^ゞ
分かってはいるけど、またやっちゃうんです!ですから、本人の意識に依存しない方法で予防するしかないんですって。「鍵や財布は持たせない」とか、「大事なものは全て首にぶら下げておく」とかね。
学習機能の方向がモノの場合はまだその程度で済みますが、「ダメンズ好き」というような場合は、いくら注意してもムダなんだから、放っておくしかないのかしら?
他人のいう事をちっとも聞いていないあの人も、みんなと同じものを食べても1人だけお腹が痛くなるあの人も、そうなる秘密は遺伝子だったんだ!遺伝子があるからこそ、人はみな個性的なのですね。
1544冊目(今年69冊目)☆☆☆☆☆☆
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