『女人讃歌 甲斐庄楠音の生涯』 栗田 勇
甲斐荘楠音(かいのしょうただおと)という画家をご存知でしょうか?
わたしは最初、今井志麻子さんの「ぼっけえ、きょうてえ」の表紙の絵を描いた人という程度の認識しかありませんでした。
その後、ちょっと調べたときに、映画のお仕事もなさっていたという部分に興味を持ちました。
元々は日本画家であった楠音さんが、「きたない絵」であるという理由で展覧会への出品を拒否されたことを発端として、絵画の世界から映画美術の世界へと居場所を変えていったわけですが、楠音さんはお育ちが良いせいでしょうか、悲壮さが全くないのです。
子供の頃よく、父とTVで時代劇を見ていたのですが、市川歌右衛門(北大路欣也さんの父上)主演の旗本退屈男の着物が派手でねぇ、幼心に「あのお侍さんだけ、どうしてあんなに派手な着物を着てるんだろう?」って思ってましたそのデザインを担当していたのが楠音さんだったんです。
楠音さんが、着物や小物の時代考証やデザインをしていた映画はかなり沢山あって、着付けや所作の指導までしていたというのですからビックリです!
生まれ育ちから死ぬ時まで、とにかくマイペースで変わった人だったようですが、余りある才能を表現する機会に恵まれた彼は、きっと幸せだったのでしょうね。
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