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『はじめての部落問題』 角岡 伸彦

はじめての部落問題 (文春新書)

 著者の角岡さんいわく、「日本の部落差別は、アメリカにおける黒人差別と酷似している」というところに、根深いものを感じます。

 
1970年に制定されたルイジアナ州の州法では、32分の1以上の黒人の血が混じっている住民は黒人とみなされ、出生、結婚、死亡などの証明書に「黒人と明記されてしまう」

 見た目は全く白人なのだけれど、この条件を適用すると黒人と認定されてしまう人が、「わたしは黒人ではない」と言っている。という話がこの本の中で紹介されていました。

 差別問題というのは、該当しない人には何でもないけれど、該当する人にとっては大問題である。というところが難しいところなのですよね。 

 自分の子供が部落出身者と結婚したいと相談したとたんに大反対した家族の例が紹介されていましたが、こういう問題は様々なところで発生しているのでしょうね。家族を捨てて駆け落ちするという選択をすることは、なかなか難しいですからね。

 それにしても、どうして部落出身者と結婚したらいけないのでしょうね?その理由がわたしにはどうにも分からないのです。危険な人たちだから?悪いことをしている人たちだから?そんなこと、見てもいないのに分からないじゃないですか!

 「誰かに、あの人たちは悪いと聞いた」ということを根拠にする人がほとんどなのですが、その誰かさんは実際に彼らの行動を見てきたのでしょうか?そんな人いないでしょ。

 これもまた、最近のわたしにとって大きなテーマとなっている「恐怖の根源とは何か?それは無知ということだ!」に当てはまっています。誰かのいうことを鵜呑みにするだけで、本当のことを知ろうとしないのは、とても危険なことなのです。

 

差別が自然になくならないのは、部落問題に限ったことではない。女性や同性愛者や障害者や在日外国人やハンセン病の元患者に対する差別は、いまだ問題を残しつつも、以前に比べてましにはなった。言うまでもなく、それぞれの立場の人々が差別に反対し、自らの存在をアピールしてきたからである。自然に差別が緩和されたわけではない。人は指摘されることによって差別している自分に気づく。(本文より)

 差別をして、自分が優位に立とうと思うなんて、実に情けないことです。そして、それを無意識にしてしまっていることに気付かないから、世の中から争い事が無くならないのですよね。そんなことを考えさせてくれる本でした。

 この本を紹介してくださった goldius さん、ありがとうございました!

1565冊目(今年8冊目)☆☆☆☆☆

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コメント

こんにちは。
私はこの本未読ですが、関連本少し紹介します。
栗原美和子さんの本、確か二冊。
あと、一昨年読んだ「どん底」が衝撃的。あと確か野中さん(元政治家)の本もあったかと。

ほっそさん☆こんばんは
この本は案外明るい内容なのでビックリしました。
野中さんの本は読みましたが、ああいう人にとっては大きな足かせなのでしょうね。
ご紹介の本も読んでみようと思います。ありがとうございました。

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