『プア充 高収入は、要らない』 島田 裕巳
「プア充」と言う言葉について、いろんな意見が交わされています。
「年収300万円もあれば、結構楽しく生きていけるさ。」という肯定派もいれば、「そんな理想論だけぶってもしょうがないだろう。」という否定派もいます。どちらの意見もアリだと思いますが、「プア充」という考え方はこれからの日本にとって、無視することのできないものだと思うのです。
国や企業の「成長使命」に個人がふりまわされる必要はない
戦後の日本は、ひたすらに右肩上がりで成長することだけを考えてきました。それが永久に続くものだとみんな信じていました。というか、信じさせられていました。でも、そんなことが永久に続くわけがありません。
ふと考えてみれば、江戸時代の人たちの殆どは一生懸命お金を稼がなきゃなんて思って生きていませんでしたよね。みんな貧しかったかもしれないけれど、それなりに生き抜いてきたはずです。
自然は豊かだったし、原子力なんかの心配もなかったし、よその国のことなんか気にする必要もなかったし、今よりよっぽど安全で安心な毎日を送っていたんじゃないですか?
周りに迷惑をかけることこそが、社会で生きるということ
近代化がもたらした個人主義は良くもあり悪くもありなのだと思います。周りの事を気にせずに自由に生きられるという部分と、自分一人で生きているわけではないのだという部分のバランスが分からなくなってしまった人が余りにも増えすぎたのは確かです。
常識、思い込み、不安、執着からの解放
「これが普通だよ」「こうしないと世間で笑われるよ」「空気は読むものでしょ」「貯金は大事です」なんていうことをほとんどの日本人は信じています。でもそれって、マスコミとか、学校制度とか、日本全体を均一化しようとする力に洗脳されてきただけなんじゃないかしら?
貯金なんかなくたって、借金がなければいいじゃないですか。いくら貯金があったって、それより多い住宅ローンを抱えている方がよっぽど大変じゃないですか。
空気を作れる人なら、空気なんか読まなくたって構わないんだし。
だからわたしは、プア充肯定派です。みんなもっとシンプルに生きようよ!
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