『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』 渡邉 格
食の世界では、肥料の大量投入で生命力の弱い作物をつくり出し、それを「腐敗させない」ために、強力な純粋培養菌を開発して外から「菌」をつぎ込み、さらに添加物を使い、食べ物を「腐らない」ようにする。(本文より)
本来、生物は全て生きる力を持っています。自分の力だけで育つ事ができるのです。なのに肥料をやったり、農薬を撒いたりして、より早く、より大きく、より手間をかけずに収穫しようと考えた人がいて、それが当たり前になってしまったのです。
渡邊さんは、パン屋さんの修業をする中で疑問を持ちました。どうして、身体に悪いものだと分かっているものを使ってパンを作っているのか?どうしてパンの味ではなく、値段で勝負しなければならないのか?
パン作りだけでなく、経済の勉強もしました。そして辿り着いた答えが、自然に逆らってものを作ってもダメだということと、安いものを提供しようとばかり考えていると、みんなが不幸になってしまうということだったのです。
みんなが信じていることの中に、実は大きな間違いがあるということが往々にしてあるのです。それに気付いたとしても、それを変えていこうと思わないのが大多数の人です。でも、渡邊さんはそれに気付き、このままじゃダメだ!と思ったのです。そして行動したのです。
この勇気があるか?と自分に問いかけてみても、スッキリした返事をできない自分がいます。思い切って生活を変える勇気を持ちたい!それができない自分に歯ぎしりしてしまいます。
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