『ビュフェとアナベル』
若くして認められていた画家ベルナールと、モデルとして活躍していたアナベルは、出会ったその瞬間から惹きつけられ、半年後には結婚しました。
ベルナールは、アナベルをモデルにして絵を描く写真も、2人が寄り添う写真も、そして描かれた作品も、どれにも愛が溢れています。
あ~、アナベルの絵を見に行きたくなりました!
2人とも、両親の愛を受けられなかった子供時代があったからでしょうか、独立心が強く、他人に対して強さを強調してしまうことが多かったようなのです。同じような境遇である2人は、そんな自分をさらけ出す事ができる相手を見つけたことによって、そんな子供時代の悲しさを払拭することができたのだと思います。
ベルナールはパーキンソン病を患い、絵筆を持てない状況になったことで生きる張り合いを失い、1999年に71歳で自らの命を絶ちました。アナベルの悲しみの深さを考えると、ほんとに辛いです。 自分は絵を描くことしかできないと自ら語っていたベルナールですから、アナベルも、そういう結末は想像していたのかもしれないけれど、やっぱり切ないですね。
1592冊目(今年35冊目)☆☆☆☆☆☆
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