『嫌われる勇気』 岸見一郎、古賀史健
人にはいろいろな悩みがあります。勉強しなきゃと思いながらも勉強できなかったり、痩せようと思いながらも、ついついお菓子に手が伸びてしまったりしちゃいます。
そんな風に、一度自分が決めたことを実行できないのは、自分の意思が弱いからなのだと悩んでいる人が世の中にはたくさんいます。悩む事さえ止めてしまって、自分はそんな人間なんだからと諦めてしまっている人も大勢います。
あるいは、自分がそれをできないのは、自分の周りにいる誰かや社会が悪いからなのだと、誰かのせいにする人もいます。
そんな人たちに対してアドラーは、こう言い切っています。
すべての悩みは「対人関係の悩み」である(本文より)
たとえば「痩せてステキになってモテてやる!」という目標を立てたとします。とても有意義な目標なのに、人間とは弱いものなので、無意識のうちに「せっかく痩せても、モテなかったらどうしよう?」という不安が生じてくるのです。
すると無意識が「もしそうなったらカッコ悪いから、痩せちゃいけない!」と命令するのです。その命令のせいで目標はなかなか達成できないのです。
これが、「1週間以内に3kg痩せなかったら死ぬ」という状況だったら、ほとんどの人は痩せられます。それは誰の為でもなく、自分の為だからです。
何かをしようとする時に、純粋に自分の為になら実行できることが、他人の目を意識した途端に上手くいかなくなるのです。なのに、自分が他人の目を気にしているという事に気付けずにいるのです。
「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ、「わたし」にしか関心を持たない自己中心的なライフスタイルなのです。
他人の為ではなく、自分の為に生きることが、すべての問題の解決策だというアドラーの考え方は、今のわたしにとって、とても素直に胸に刺さりました。
世界とは、他の誰かが変えてくれるものではなく、ただ「わたし」によってしか変わりえない
ということを実践できる勇気、それこそが自分が変わる為のキーポイントなのです!
1591冊目(今年34冊目)☆☆☆☆☆☆
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