『スポーツニュースは恐い 刷り込まれる<日本人>』 森田 浩之
刷り込まれる<日本人> (生活人新書)
NHK出版 (2014-02-18)
ニュース番組の中に、たいていの場合は「スポーツニュース」というコーナーが含まれています。それまでは暗いニュースばかりだったのに、ここだけは明るい話題という雰囲気で進行されることが多いですね。
昔はわたしもスポーツニュースを楽しみにしていたクチなのですが、ここ10年くらいは、余り積極的には見なくなりました。それは何故なんだろうなぁっと考えることが良くあります。
そして、思いついた1つ目はプロ野球の扱いです。春から秋にかけて、特別なイベントがない場合、最初に登場するのがプロ野球なのですが、何故これが最初なの?という疑問が湧いたのです。
少なくとも水曜日と土曜日に関してはJリーグの方が試合数も多いのだし、メジャーリーグの試合もたくさんあるし、ゴルフもモータースポーツも、とにかく色んなスポーツの試合が行われているのに、どうしてプロ野球がトップコンテンツ扱いなのか?
世界選手権やオリンピックの時には、あんなに盛り上げたのに、その後は音沙汰なしになってしまう種目がとにかく多い!
パラリンピックに史上最多の参加者とニュースでは報じられましたけど、パラリンピックの試合の放映はホントにちょっとだけ、それもNHKだけで民放は知らんぷりなのは何故か?
外国で活躍している選手の活躍ぶりを紹介してはいるけど、所属チームの勝敗などについては、ほぼ一言で終わってしまうのは何故か?
こんなことを考えていたわけです。
この本で新たに気付かされたのは、女子選手は押しなべて「ちゃん付け」で呼ばれ(柔ちゃん、Qちゃんのように)、彼女たちの夫や恩師や、周りの男性たちのバックアップがあってこその栄光なのだという評価の仕方です。
スポーツニュースはオヤジが仕切っている世界で、女性選手たちはまだまだ新参者扱いなのです。(その割にスポーツキャスターは女性が多いのも、オヤジ目線だから?)
ヒーローインタビューでつまらない質問しかできないことにブーイングを出すもよし、試合の中継中に同じ説明ばかりしている実況アナに疑問を感じるもよし。
スポーツ中継やスポーツニュースが投げかけてくる情報に、疑問を持ってみることから始めようじゃないですか!
1599冊目(今年42冊目)☆☆☆☆
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