映画 「世界の果ての通学路」
わたしの父が子供だった頃、小学生まで1里(約4km)あって、お弁当のおにぎりを背中にしょって冬は凍った道を1時間くらいかけて通ったんだという話を聞かされたことがありました。
とはいっても、それは昭和の初めのお話で、今の時代にそれ以上の過酷な通学をしている子がいるなんて、この映画を見るまで知りませんでした。
最初に登場したアフリカの兄妹は、アフリカゾウやキリンが住むサバンナを、2時間歩いて(半分くらい走って)通っています。毎日の通学が命がけなのです。
アルゼンチンの兄妹は、馬で岩山を超えて通学しています。ここでも、お兄ちゃんの手綱に2人の命が掛かっています。
モロッコの少女は、学校まで片道4時間もかかるので、月曜日の朝に学校へ行き、金曜日までは学校の寮で暮らし、週末に家に戻ってきます。
インドの足の不自由な少年は、弟2人が押してくれる車椅子で通学しています。片道1時間15分、幼い弟たちにはかなりの重労働なはずですが、一生懸命に兄の為にがんばっているのです。
彼らに共通しているのは、そんなにも大変な通学を決して辛いとは思っていない点です。自分の夢を実現するために勉強することが実に大事だということ。こうやって勉強できること自体が幸せなのだということを理解しているのです。
その姿を見ていると、今の日本って恵まれ過ぎていて、逆に不幸なのかもしれないと思えてきました。簡単に得ることができることって、ありがたみが薄いんですね。
映画 2014年 4本目
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