『「自分」の壁』 養老孟司
私の身体は私だけのものではない(本文より)
自分のことを考える時、自分という肉体は自分だけのものだと考えがちです。でも、本当にそうなのでしょうか?
たとえば、自分はこの世に未練はないからと自殺してしまったとします。その後、残された家族や友人がどれだけ悲しむか、どれだけショックを受けるのでしょうか?自分が残された立場になったことは誰しもあると思います。そこから、自分の肉体は自分のものであると同時に、周りの人のものでもあると考えることができるのではないでしょうか。
そして、養老先生が語られる医学的見地から考えた場合は、また別な考え方ができます。わたしたちは野菜・肉・魚などを食べることによって生きています。それらの命を頂いて生きながらえているのです。わたしたちに食べられてしまったモノたちの命の分も、わたしたちは大事に生きていかなければならないのです。
自分一人では生きていけないということを忘れてしまって生きていると、自分を見失ってしまいます。他人を騙してまで利益を得ようとか、自分には無理なことを出来るといってしまったりして、結局は自分自身の壁に行く手を遮られてしまうのです。
決して他人が悪いわけではありません。自分自身が悪いのです。なのに、その非を認めずにいたいがために、誰かが悪いとか、時代が悪いとか、運が悪いとか言い訳をするのです。言い訳を考える暇があったら、もっと他に考えることがあるのにね。
自分のことを一番理解していないのが自分なのだと、謙虚な気持ちで生きることが大事なのだと、改めて考えさせられました。
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