『独学という道もある』 柳川範之
著者の柳川さんは、東京大学大学院経済学研究科教授でらっしゃるのですが、ここに来るまでの道のりは、普通の人とは全く違うのです。お父さんの仕事の関係でシンガポールやブラジルで暮らすことになった彼は、現地の学校や日本語学校へ行くのではなく、独学という勉強方法を選択したのです。
日本で教科書、参考書、問題集などを買い込んで行って、1人で勉強するというのは誰にでも真似できることだとは思いませんが、彼には向いていたのでしょうね。高校の勉強までは自分一人で行い「大検」を受けて合格しています。
普通の人ならここで大学入試となるのでしょうが、柳川さんは大学も通信教育という道を選んでいます。実際の学校に通うようになったのは大学院からなんです。
日本人の殆どの人が小中高大と順番に学校へ通うことしか考えていないのは、それ以外の手段を思いつかないからなのでしょうね。柳川さんのように独学したり、あるいは、一度働いてから大学へ行くとか、様々な方法があるはずなのに。
画一的な道しか知らないから、大学へ入ったところで燃え尽きてしまったり、働くという意味が分からなかったり、誰かに教えてもらわなければ分からないという考え方になってしまったりするのでしょうね。
今まで、これが普通だと思っていた方法以外の生き方もあるんだよという、ヒントを与えてくれる本です。
PODCAST「上田渉のこの人がおもしろい」で柳川さんのお話が聞けますので、興味のある方はMPEGファイルをダウンロードして聞いてみてください。
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