『代官山オトナTSUTAYA計画』 増田宗昭
例えば私がある企画を考えつき、「この企画買いませんか?儲かりますよ」と企画書一枚を持って売り歩いても、まず誰もそれを買おうとは思うまい。その企画が相手の理解を超えるものなら、相手は理解できないわけだから、絶対にそれを「面白い」とは思わないし、逆に相手の理解の範囲内にあるものなら、それは私が考えるより先に商品化されているだろうからだ。(本文より)
この本を読んでいて感じたのは、誰かの顔色とか、世間の流行とかということばかり考えていたら、この企画は成り立たなかっただろうということです。
このアイデア面白いでしょ!と提案したときに、それを理解できない人にどう説明するのかを考えなさいと、普通の自己啓発書はいうのですが、ここでは、そんなことをやっても無駄だと言っています。
そんなヒマがあったら自分でやってしまえ!
ああ、そうだよねと妙に感心してしまいました。このお店のように成功した後から、あの企画はイイよねって言う事は簡単だけど、アイデアの段階から「そうだ!」と確信できるのは、自分が心から信じられる人がやっているか、自分でやるか、その2択しかないのです。
それと同じようにアイデアというものは、誰かに提案されたり、アンケートを集計したりしても、自分の腑に落ちなければしょうがないものです。今あるものの改良版だったら、ある程度の想像はつきますが、全く新しいものを作ろうとするときには、何も手がかりはないのです。
必要なのは、自分はこうしたいのだ!こういうものが欲しいのだ!世界初だぞ!という確信です。他人から見れば無謀な確信なのかもしれませんが、それはしょうがないのです。自分の頭の中は誰にも見えていませんからね。
自分が欲しいものを追及すること、それこそがアイデアの基なのだと確信させてくれる1冊でした!
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