『街の人生』 岸 政彦
この本の中では5人の人にインタビューをしています。どんな子供時代を過ごして、どんな大人になったのか、という質問を投げかけられたことに対して、みなさんとてもストレートに答えてくれている印象を持ちました。
それぞれに、大変な問題を抱えているはずなんですけど、意外とアッケラカンとしているのは、その人にとってはあまりに日常的なことだからなのかもしれません。
この本に登場する5人
- 外国籍のゲイ
- ニューハーフ
- 摂食障害
- シングルマザーの風俗嬢
- ホームレス
文字で見ただけだと特別な人たちという感じがするけれど、インタビューを読んでいくと、この人たちだって 「普通の人」なんだということを強く感じます。
たとえば、「シングルマザーの風俗嬢」。彼女は離婚して3人の子供を抱えて生きることになりました。元夫の保証人になったために発生した借金を返すために風俗業に身を置くようになったのです。
さすがに子供たちには仕事のことは話していませんが、仕事に対する姿勢はとても真面目です。時には危険を伴う可能性もある仕事ですから、慎重さが肝心だということを良く分かっています。そして、子供たちに対する考え方は、ホントに普通の母親というか、今時としてはマトモな方だと思います。
人生って思いもよらない方向に進んでしまう事が多いのだけど、その人生を歩んでいるのはその当人だけ。絶対に同じ人生などないのです。それぞれの人に、それぞれの人生があるのです。それを垣間見ることは、面白くもあり、驚きもあり、我が身にも降りかかるかもしれない現実がそこにあるのだと感じるのです。
1632冊目(今年75冊目)☆☆☆☆☆
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