『憎悪のパレード 池袋ウエストゲートパーク XI 11』 石田衣良
マコトは毎日クラシック音楽を聞きながら果物屋の店番をしている。その合間にミニコミ誌のコラムを書いたりしているが、時々深刻な悩みを持った人が彼の元にやって来る。今回はGボーイズの王様、タカシが絡んだ話が多い。
今回のラインナップは、
- 北口スモークタワー(脱法ドラッグ)
- ギャンブラーズ・ゴールド(ギャンブル依存症)
- 西池袋ノマドトラップ(ネズミ講)
- 憎悪のパレード(ヘイトスピーチ)
池袋には流行のものが何でも揃ってるんだね。なんて冗談も言いたくなってしまうほど、町には危ないものが溢れています。最初の一歩はちょっとした好奇心でも、気が付けば二度と逃れられないようなところまで追い詰められてしまう事が、本当にたくさんあるんです。
本の中ではマコトに助けてもらえているけど、実際の世界では、誰に助けを求めていいのか分からないまま、そのまま埋もれてしまう人が沢山いるんです。
ここに書かれている話は、決してあなたと無関係なお話ではありません。あなたのすぐそばで起きている事ばかり。そして、明日はあなた自身の身にも降りかかってくるかもしれないことなんです。
日本って、いつからこんなに物騒なところになってしまったのでしょうね?
1630冊目(今年73冊目)☆☆☆☆☆
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