『脳は記憶を消したがる』 前野 隆司
人がどうして頑固になるのかというと、自分のやり方はこれでいいいという固定観念にとらわれるからで、視野が狭くなり、他人の考えを受け入れられないからだ。(本文より)
「意志が固い」ということとと、「頑固である」ということは、全く違う状態です。
周りの状況がどうなっているのか?相手は自分に何を求めているのか?を理解しつつも、自分の考えを変えないのが「意志が固い」という状態です。
「頑固」には自分しかありません。自分のやり方に反対する人はすべておかしな人であるという考えに囚われてしまっているのです。
若いころから頑固という人は余りいません。歳と共に頑固になっていくのは皆さんご存知の通りです。
若い頃は、様々なパターンに遭遇することによって経験値を増やしていきます。
歳を取るとともに、経験値が増え、新しい経験を大量にする必要なくなっていきます。といっても、全く必要ないわけではありません。新しい技術、新しい道具などを使おうとすれば、新しい経験が積み重ねられます。
ところが、新しいものに興味を持たない(持てない)人は、これまでの知識だけで十分だと考えてしまいます。そして頑固になっていき、周りから迷惑がられるわけです。
本人は自分こそが正しいのだと信じていますから、周りの反応が理解できません。そして益々頑固さに磨きがかかってしまうのです。
自分のことを分かってもらえないという思いを少しでも持つなら、その原因は他人にあるのではなく、自分の中にあるという疑いを持つべきだと思うのですが、そう考えないからこそ「頑固」なんですよね(汗)
1638冊目(今年81冊目)☆☆☆☆
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