『オロロ畑でつかまえて』 萩原 浩
人口約300人の寒村、牛穴村の青年会が村の存続をかけて何かしようということになったのです。といっても、自力で何かを企画できるわけでなく、東京の広告代理店に頼めば何とかなるのではないか?ということで東京にやってきたのですが、大手の代理店にはまるで相手にしてもらえません。
ただでは帰れないと、看板を見つけて飛び込んでみたのが、倒産寸前の「ユニバーサル広告社」でした。とにかく仕事(お金)が欲しいユニバーサル広告社のみなさんは、牛穴村へ向かったのです。
牛穴村の田舎度は、まさに「秘境」レベルでした。山奥で、人が少なくて、なおかつ訛りが凄過ぎて言葉が通じない!ユニバーサル広告社のみなさんは、やけのやんぱちで「村おこし」キャンペーンを考え出したのです。
田舎の変わった人たちと都会の変わった人たちの、お互いに理解してるんだか、してないんだか良く分からないところ、真剣に考えてれば考えるほどズレていく感じが、妙におかしいんです。
荻原さんの作品は「明日の記憶」しか読んだ事がなかったのですが、最初の頃はこういう作品を書いてらっしゃったんですね。
この作品は、第10回小説すばる新人賞を受賞しています。
この賞を受賞した方は、その後活躍されている方が多いので要チェックですね!
1639冊目(今年82冊目)☆☆☆☆
« 映画 「聖者たちの食卓」 | トップページ | 『蘇活力 実践篇』 南 和友 »
「日本の作家 は行」カテゴリの記事
- 『あるがままに自閉症です』 東田直樹(2021.04.04)
- 『十年屋① 時の魔法はいかがでしょう?』 廣嶋玲子(2021.03.16)
- 『ハロー・ワールド』 藤井太洋(2021.03.14)
- 『休みをとってでも行きたい問屋街さんぽ』 古谷充子(2021.03.06)
コメント