『伝わっているか?』 小西 利之
思いつかないって言う人のほとんどが、実は考える方法を知らない(本文より)
自分の考えを相手に伝えているつもりなんだけど、上手く伝わってないなぁって思うことが良くあります。Aさんには何てことなく伝わることを、同じように言っているのにBさんにはちっとも伝わらないって時、どうすればいいんだよ~!と思ってしまいます。
相手のために考えるんじゃなく、相手の立場ならどうするのかを考える
例えば、ある新製品の広告を考えているとして、それを買うお客様の立場になってみて、何が魅力的なのかと考えてみる。デザインがステキなのか?これまでにない商品っていうところなのか?機能に対してお値段に割安感があるのか?なんてことを考えてみます。
作る側の理屈と、買う側の理屈が違うというのは良くあることで、大いなる勘違いのおかげで売れてしまうことだってあるし、別の魅力を見出してもらえているという可能性だってあるし、自分で考えるのがムリなら、ターゲットに近い人の意見を聞いてみるのも、いいのかもしれません。
自由に考えたら、面白いことは生まれない。自由に考えて面白いことを考えられるのはアーティストだけだ。
本当に自由だと困ってしまうのが凡人なんですよ。適当に範囲を決めてもらった方が考えやすいというのは事実です。縛りがあるからこそ、そのギリギリを追及できるのでしょうね。
難しいのは馬鹿、カンタンなのが天才
難しい表現や言葉について説明して欲しいとお願いしたときに、本当に頭のいい人は、分かりやすい言葉で説明してくれます。逆に、困ったり、怒ったりする人がいますけど、それは自分はバカですって言ってるのに等しいですものね。
前向きに考えるヤツだけに、前向きなアイデアは生まれるんだ
自分の考えを言葉にしたり、形ある物にしたりするのだから、そこには自分というものが投影されるのは当然のことです。明るい人からは明るいものが出てくるし、真面目な人からは真面目なものが出てきます。
本当に、これを伝えたいという気持ちがあれば、伝えることができるのだと確信を持てる自分であるために、やるべきことはまだまだたくさんあるのだと気付かせてくれる本でした。
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