『ツカむ!話術』 パトリック・ハーラン
「以心伝心」とか、「空気を読む」とか、言葉にしなくても自分の考えが周りに伝わるのだと信じ込んでいる日本人は実に多いのです。でもね、本当にそうなんでしょうか?相手が何を考えているのかを、それで分かってしまうなら、会話なんて必要なくなってしまいます。
逆にいえば、自分が相手にこうして欲しいとか、分かって欲しいと思っていることを、言葉なしで伝えることってできるのでしょうか?自分の心の中を相手に伝えるのに、絵画や音楽という方法もありますが、一般の人にとって言葉というのはとても重要なものであるはずです。
「わたしはこんなことを考えているんです!」を相手に伝えるために、どんな話術が必要なのかを、日本の学校ではほとんど教えてくれません。会社でも教えてもらえません。では、どうすればいいのか?結局は自分で勉強するしかありません。
それとは正反対なのがアメリカの学校なのだそうです。多民族国家だから、いろんな考え方をする人がいるのが当たり前。そういう相手に対してどんな風に表現したらいいのかを学ぶ必要があるという前提での学習があるのです。
とにかく説明するということを小学校の時代から訓練するのだそうです。たとえば、自分が大事にしている何かについて、それがいかに大事なものであるのかをクラスメートに説明するというような授業があるのだそうです。こういうのは、日本の学校でも真似して欲しいものです。
そんなアメリカで育ったパックン先生が力説しているのは、相手の心を掴むには3種類の攻め方があるというところです。
- エトス(人格的なものに働きかける説得要素)
- パトス(感情的なものに働きかける説得要素)
- ロゴス(頭脳的なものに働きかける説得要素)
相手の性格や立場によって、どこを攻めていけばいいのかは変わっていくわけですが、いずれを攻めるにしても、どうすればいいのかは自分で決めなければなりません。この人には甘えた方がいいとか、あの人には数字を出した方が理解が早いとか、作戦を練らなければなりません。
そのために必要なのは、とにかくやってみること!いろんな手を試してみること!経験こそが最大の勉強であるとわたしは思います。何だか、自分の話が相手に伝わってないみたいだなぁと思うことが多かったら、パックン先生のこの本を読んでみてください。
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