『できる人はなぜ、本屋で待ち合わせをするのか?』 臼井 由妃
この「ひと工夫」が一流の人生を作る。
翔泳社
街の本屋はシンクタンクであり、各界のプロが集う社交場なのです。(本文より)
誰かと待ち合わせをする時に、もし目的地の近くに本屋さんがあったら、そこで待ち合わせをするというやり方を、わたしも学生時代からやっています。
たとえ相手が遅れてきても、本屋さんなら待ち時間がちっとも苦になりません。というか、面白い本を見つけてしまって、待ち合わせしていたことを忘れそうになることだってあります。たとえ5分でも、本屋さんで過ごす時間はいつも楽しいから、いろんな人に薦めてきました。
でも、「本屋さんで待ち合わせは、座れないから嫌なの」なんて言う人もいます。それは、本屋さんに行ったことのない人のセリフです。今の本屋さんには椅子が用意されていたり、カフェコーナーが設けられていたり、ゆったりと時間を過ごすのに良い場所なんですよって、大きな声で言いたいなと思います。
この本の中で気になったキーワードが2つありました。
その一つ目が、「仕事はやり残して帰る」です。
「仕事のキリが付くまで」という考え方をする人が世の中の大半だと思うのですが、それは決してうまいやり方ではないと著者は言っています。キリがついて帰ったら、次の日は別の仕事を1から始めることになります。さぁ、どこから始めようか?ということになるわけです。
それに対して、昨日の続きから始めようという場合には、いきなりエンジン全開で仕事ができるというのです。ふむふむ、これは面白い考え方です。ということは、仕事のキリは仕事の内容ではなく、時間で決めてしまった方が良さそうです。
やみくもに時間をかけて仕事をするよりも、一晩寝てスッキリした頭で考えた方が問題解決も早いのかもしれません。
二つ目のポイントは、「やらないことリストを作る」です。仕事をする上で、何でもやりましょう!というのは決して良いことではありません。自分は何を大事にしているのかを考えれば、おのずと何はしていけないのかも分かってきます。
例えば、「自分の技術に自信があるのなら、値段を下げてまで仕事を受けない」とか、逆に「値段で勝負するなら、最初に提示した条件は絶対に変えない」とか、自分なりの「やらない」を決めておくべきなのです。相手のムリな注文に振り回されてしまうのは、それを決めていない自分にも非があるのですから。
仕事は決して自分のペースだけでできるものではありませんが、前もって自分が何かを用意しておくことによって無駄な時間を割くことができるものです。そこが「仕事ができる人」になれるかどうかの分かれ道なのだと思います。
そのあたりが分からないなぁと思っている方、是非ともこの本を読んでみてください。そんな簡単なことでイイの?というヒントが沢山見つかりますよ!
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R+(Reviewplus) さんからこの本を提供していただきました、ありがとうございます。
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