『リアル 14』 井上 雄彦
昨年末14巻目が出た「リアル」は車椅子バスケットボールのお話です。でも、本当のストーリーは、どうして彼らは車椅子が必要になったのか、その運命をどのように受け止めたのかという所なのです。
リアルを読むまで、車椅子に乗ることがいかに大変なのか、ということすらわたしは知りませんでした。一瞬でも自力で立ち上がることができるなら、まだ楽な方なのです。下半身が全く動かない人がどのようにして自力で車椅子に乗り移るのか?それは想像を絶する努力が必要なのです。
今回スコーピオンさんがチャレンジしている、「床からベッドへ上る」トレーニング。これができないことには次の段階へ進めないのです。
高橋くんは、車椅子バスケのチームに合流しましたが、試合ができるようになるまでにはまだまだ長い道のりが必要だということを実感しました。そして、とにかく基礎体力をつけることに努力しています。
そして、あのヤマの存在は大きいですね。昔は20歳くらいまでしか生きられないと言われていた筋ジストロフィーだって、医療技術の進歩でもっと生きられるようになったのだと語るヤマに、自分たちも負けられないな!って、話を聞いていたみんなは思ったのでしょう。
苦しいこと、悲しいこと、どうにもならないことが、人生の中にはたくさんあります。そんなときに、1人で耐えなければならないことがあります。でも、誰かに助けてもらえることだって沢山あるのです。
助けてくれるのは自分より強い人だけではありません。その人にだって背負っている何かがあるけれど、そんなことを忘れて自分を応援してくれるのです。
リアルに登場する人たちはみんなそんな人ばかり。わたしも負けずに生きていきたい!
1654冊目(今年1冊目)☆☆☆☆☆
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