『まさか発達障害だったなんて』 星野仁彦 さかもと未明
発達障害がある人は、コミュニケーションや対人関係が苦手です。 その行動を見ただけで「自分勝手」とか「変わった人」「困った人」と誤解されることが多いのです。しかしこれは、親のしつけや教育の問題ではなく、脳機能の障害なのです。
天才的なミュージシャンだけど人嫌いだとか、優秀な数学者だけど他のことは何もできないとか、不思議な人っていますよね。そういう人って実は発達障害であった可能性が高いのです。
「おかしな行動をする」「親のいう事を聞かない」という理由で、母親からの愛を感じたことがないという、さかもと未明さんは、星野先生から自分が「発達障害」なのだという診断を受け、これまで悩み続けてきた自分の存在が「救われた」というところから話が始まります。
そして、自分を理解してくれなかった母親もまた発達障害であった可能性が高いという説明を受けて、母親に対する敵対心もある程度薄まったのかもしれません。
この本を読んでいて衝撃的だったのは、さかもとさんが子供の頃、とにかく自分で稼げるようになって家から出ることばかり考えていたというところです。この点は私も全く同じなのです。自分を理解してもらえていないという感覚は、余りにもそっくりなのです。
発達障害の最も問題となるのは、脳から出される報酬が足りないということなのだそうです。つまり幸せを感じにくく、自分がきちんと評価されていないと感じやすいのです。
そしてもう一つ気になったのは、部屋の中で一番遠くにいる人の声が何故か聞こえてしまうということです。わたしも同じなんです。目の前にいる人よりも離れたところにいる人の声の方がよく聞こえてしまって、うるさくてしょうがないのです。
他人に分かってもらえない部分をたくさん持っていた「さかもとさん」はさぞかし辛かったのでしょうね。そして、同じような悩みを持っている人は世の中に沢山いるのでしょうね。
発達障害というものの存在を知る人が増えれば、そういう人たちも生きていきやすい世の中になっていく筈です。人は皆違うのだということを尊重してもらえる世界が広がることを祈っています。
1667冊目(今年14冊目)☆☆☆☆☆☆
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