『だから日本はズレている』 古市 憲寿
「おじさん」とは、いくつかの幸運が重なり、既得権益に安価参りすることができ、その恩恵を疑うことなく毎日を過ごしている人のことである。たまたまラッキーで「おじさん」になれただけかもしれないのに、それを自分の手柄のように思い込む。そして「おじさん」界の外にいる『若者」や「女性」に対して冷たくなっていく。
自分の幸運を棚に上げて、不遇な状況にある人を自己責任だと切り捨てる。そういった人を、僕は性別や年齢に関係なく「おじさん」と呼ぶ。(本文より)
わたしは上記の部分だけでもこの本を読んだ甲斐があったなと思うのです。今どきの若者には「やる気がない」とか「リーダーシップが取れない」なんて言っている年長者たちが、果たしてどれほどのものなのか?って考えさせられました。
上から目線の「おじさん」が考えている社会って、矛盾だらけですからね。なのに、この社会はいいところなんだよ。こっちへ進みたかったら、おとなしく「おじさんたち」の言うことを聞きなさいっていう論理には、ついて行きたくないものねぇ。
昔と今は違うんだから、仕事のやり方も変わってきたし、人生の目標の持ち方も変わって当然なのに、それを理解できない人たちがいて、なおかつ社会的権力も持っているっていうところが困るのだけど、こういう構造っていつの世もそうなんだろうな、とも思うんです。
硬直しっぱなしの日本社会を打破していくのは、自由で柔軟な考え方をする人々であるはずです。これまでの(つまらない)常識をどこまで破れるのか?若い人たちに期待するとともに、自分もがんばらなければと思うのです。
1663冊目(今年10冊目)☆☆☆☆
« 『ヒップな生活革命』 佐久間 裕美子 | トップページ | 『「消費」をやめる 銭湯経済のすすめ』 平川克美 »
「新書」カテゴリの記事
- 『経済成長という病』 平川克己 24-350-3376(2024.12.10)
- 『異次元緩和の罪と罰』 山本謙三 24-349-3375(2024.12.09)
- 『新書へのとびら 講談社現代新書創刊60周年 第2部・3部』(2024.12.08)
- 『新書へのとびら 第1部 現代新書はいかにして現代新書になったのか』 魚住昭 24-347-3373(2024.12.07)
- 『ほんとうの定年後』 坂本貴志 24-332-3358(2024.11.22)
「日本の作家 は行」カテゴリの記事
- 『経済成長という病』 平川克己 24-350-3376(2024.12.10)
- 『誤作動する脳』 樋口直美 24-314-3340(2024.11.04)
- 『デスメタルアフリカ』 ハマザキカク 24-317-3343(2024.11.07)
- 『87歳、現役トレーダー シゲルさん』 藤本茂 24-302-3328(2024.10.23)
- 『転がる珠玉のように』 ブレイディみかこ 24-308-3334(2024.10.29)
コメント