『「いつものパン」があなたを殺す』 デイビッド・パールマター クリスティン・ロバーグ
脳を一生、老化させない食事
三笠書房
これまで、わたしたちが教えられてきた健康であるための食事といえば、低脂肪、高たんぱく、低コレステロールでした。ところが、これが間違っているらしいのです。
最近ニュースでも報じられましたが「コレステロール値は高い方がいい」のだそうです。どういうことかというと、「うつやがんのリスクが少ないのは、コレステロール値が高い人」なのだそうです。
ということは、これまで正しいと言われていたコレステロールを下げようという健康指導は、うつやがんを増やしていたということなんです!
この本のタイトル「いつものパンがあなたを殺す」というのは、実に衝撃的です。パン(穀類)が脳の中で炎症をお押して脳の働きを鈍くし、更には認知症にまでつながっていくというのです。毎日穀類を食べ続けることによって、脳を破壊してしまうというのは実に怖い話です。
「炭水化物中毒」や「脂肪恐怖症」に陥っていないのか?
太るから脂肪は余り摂らないようにというのも、これまでの健康指導で言われてきた常套句ですが、これもまた考え直す必要のある部分です。もちろん身体にとって良くない脂肪も色々ありますが、脳の為に摂取する必要がある脂肪もあります。
パンやラーメンやピザやパスタやお菓子ばかりを食べていたら、身体に悪いのは間違いありません。でも、その悪さの意味が、これまで教えられてきたものとは全く違うのです。
小麦などの穀類に含まれるグルテンが脳に炎症をもたらします。もし、食事の後にだるくなるとか、イライラしやすいとか、花粉などのアレルギーに悩んでいるとか、という症状を普段から持っているのだったら、試しに1週間小麦断ちをしてみてください。もし、それで症状が軽くなるようだったら、グルテン過敏症の可能性が高いのだそうです。
アルコール中毒や薬物中毒の人って、意外と自覚がない場合が多いですよね。「炭水化物中毒」や「砂糖中毒」の人もどうやら同じらしいのです。片頭痛があるなど、身体のどこかに不調を感じる人は、自分は何かの中毒かもしれないと疑ってみた方がいいようです。
それともう一つ、「カロリーだけを信じてはいけない」というのも大事だと思いました。同じカロリーであっても、リンゴを1個食べるのと、リンゴジュースを1杯飲むのとでは全く意味が違うという点を初めて知りました。
固形物から栄養を吸収するのと、液体から栄養を吸収するのとでは、身体に入っていくプロセスが違うのです。「フルーツジュースだからヘルシー」というのはタダのイメージでしかないのです。
何だかわからないけど具合が悪いところがあるとか、最近記憶力が落ちたという方でしたら、是非読んでみて頂きたい本です。これまで健康に良いと信じ込まされていたウソから抜け出すチャンスを逃さないでください!
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