『バカになるほど、本を読め!』 神田 昌典
私の言う「バカ」とは、周囲の人からは「あいつって本当にバカなんじゃないか」と思われるような、既成概念にとらわれない発想ができる人、また、誰もやったことがなく、保守的な人からは「失敗するに違いない」と言われるようなことでも、果敢に行動に移せる人。頭でっかちになって行動できない常識人とは一線を画す、マッドでクレイジーな奴だけど、何かを成し遂げる「バカ」だ。(序章より)
人間が体験できることには限度があります。例えば何処かへ行ってみたいと思っても、すぐに行ってみることができるところもあれば、そこまでたどり着くことさえできない場所というのもあります。そんな場所へ行ってみること、そんな場所があるということを疑似体験させてくれるのが読書です。
読書を通して、様々な人間になってみることもできます。時には動物や魚や、宇宙人にだってなれます。
そこから生まれる想像力は、その人の力になります。「知的創造」と著者は言っていますが、これまでになかった何かを作り出す力を作り出すための源となるのが「読書」なのですね。
ネットに時代に読書ですか?という問いに対して、著者はハッキリ言いきっています。ネットの情報は豊富ではあるけれど底が浅い。何かを掘り下げて知りたい、学びたいという時には、やはり書物は大事なのだと。ただし、そこに書かれているものが文字だけとは限りません。写真や絵から伝わるものもあります。
映画のように、具体的に形を見せてくれるものからも、もちろん刺激を受けますが、本の方が情報が少ない分、想像力で補う所が大きいのです。本の装丁、文字の形(フォント)、手触り、そういうものも人間の感覚を刺激します。
自分の頭の中で、どれだけ妄想を膨らますことができるのか?その訓練をするのに読書は最適なのです。
自分の能力が不足しているなとか、新しいアイデアが欲しいなと思うなら、バカになるほど読書をしましょう!
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