『ビジネスエリートは、なぜ落語を聴くのか?』 石田 章洋 横山 信治
著者のお2人は、かつて落語家であった経歴を持つ方です。ビジネスマンは様々なスキルを必要とします。そのスキルを「落語」から学んだという経験からこの本を書かれています。
落語は基本的に座布団に坐って話すだけの芸です。バックに音楽が流れるわけでもなし、背景に画像が映し出されるわけでもなし、小道具も扇子と手ぬぐいを使う程度です。なのに何人もの登場人物が、あたかもそこにいるかのように感じさせることができる、スゴイ芸なのです。
すべてから学ぶ覚悟はあるか?
落語を見ていていつも感心するのは、扇子は蕎麦を食べる時は箸となり、煙管にもなり、天秤棒にもなるというように、ちょっとした仕種にも落語家の観察力・洞察力が生きているということころです。
この本では、落語から得られることとして
- 話し方を学ぶ
- 文章力を学ぶ
- ストレス解消できる
- 生きる知恵を学ぶ
- 自己承認できる(ありのままを認める)
などが挙げられています。
落語ネタは時代設定が昔のものが多いですけど、昔も今も人間がやることって大して変わらないんです。長屋の熊さんの間抜けなところ、大家さんの懐の広さ、お殿様の純真さ、女将さんの情の深さ、人間ってそういうものなんだよねと膝を打ったり、涙を流したり、大笑いしたり。
様々な感情を感じることで、人間は人間らしくなるのだと思います。自分が失敗したときに1人で落ち込むのではなく、そういえば熊さんもやってたなぁと思いだすことで救われることだってあります。
落語はもちろんライブが一番ですけど、CDやDVDもたくさん出てますから、何かに行き詰った時に一席聞いてみると心がほぐれるんじゃないかな。
この本でも紹介されてましたけど、談志師匠の「芝浜」でも聞いてみましょうかね。
R+(Reviewplus) さんからこの本を提供していただきました、ありがとうございます。
1680冊目(今年27冊目)☆☆☆☆☆
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