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『アイネクライネナハトムジーク』 伊坂幸太郎

アイネクライネナハトムジーク

 伊坂さんの作品には、いつも変な人が登場して、その変さゆえにトラブルに巻き込まれたりするんだけど、今回は悪い人は1人も出てきません。その代わりにほのぼのした愛が、いろんな人たちを繋いでいきます。

 この作品の中で気に入った言葉は、イヤな奴に絡まれている人を助けるこのセリフです。

 「この娘さんのお父さんが誰なのかご存知ないんですか?」

 こんなこと言われたら、どんな人って特定されているわけでもないのに、怖~いパパがいるのかって勝手に想像しちゃいますよね。

 そして、ボクシング・ヘビー級のチャンピオンのリングネームが「ウィンストン小野」ってのは、ズシッときましたねぇ。

 それと、100円で今の自分にぴったりの曲を選んでくれる斉藤さんの店、ウチの近くにあったらいいなぁ!

 特別な事件がなくたって、人生にはいろんなことがあって、ドキドキしたり、笑ったり、泣いたりするんです。物語はわたしたちの周りに溢れているんだなって思う作品でした。

1687冊目(今年34冊目)☆☆☆☆☆

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