『バスジャック』 三崎亜記
この短篇集に納められているのは、この7作品です。
- 二階扉をつけてください
- しあわせな光
- 二人の記憶
- バスジャック
- 雨降る夜に
- 動物園
- 送りの夏
何故か読んでいなかった初期の作品なのですが、期待を裏切らない面白さでした。
特に気に入ったのは「動物園」です。実際には存在しない動物を見せるという、特殊な技術を持った人の話なのです。そんなことはあり得ないだろうと思いつつも、本当にいたら見てみたいとも思うのです。
そして「送りの夏」の人たちのように、家族が亡くなるということを受け入れられない人たちの心のケアって、これからの時代にはとても大事なことだなと思ったのです。
他人から見ると理解不能だったり、グロテスクだったりすることであっても、そういうことを大事だと思っている人のことは尊重しなければならないのだと、強く感じる作品でした。
やっぱり三崎さんの作品はストーリーとは無関係に自分の想像が膨らんでいくところが、不思議で面白いです。
1693冊目(今年40冊目)☆☆☆☆☆
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