『オン・ザ・ロード』 ジャック・ケルアック
この本がアメリカで発表されたのが1957年。当時のアメリカは、今から考えれば良い時代だったと思うのだけど、その当時の若者にとってはフラストレーションが溜まるばかりの時代だったのかもしれません。
デンヴァ―の黒人地区であるウェルトン通りの27丁目あたりの明かりの中を歩いていると、黒人だったらいいのになあ、という気持ちになってきて、白人の世界がくれるものは、どんなにベストなものでもエクスタシーが得られない、元気になれない、楽しくない、わくわくできない、闇がない、音楽がない、夜が足りない、と思えた。(本文より)
大学は出てもこれと言った定職もなく、特技があるわけでもなく、その日暮らしをしているような白人青年たちは、どうしようもない自信の無さを持っていたようなのです。白人でいることが嫌でたまらず、ストリートでしたたかに生きている黒人に憧れを持っていたというのです。
アメリカ全土を旅しながら、ハチャメチャな毎日を送っているようでいて、実は心の中に醒めたものを持っている主人公サルは、著者ジャック・ケルアック自身であり、当時のインテリ青年の悩みを代表している人なのでしょう。
サルは退役軍人手当を貰って大学へ通っているという文章を読んで、アメリカの友達のことを思い出しました。こういう人がアメリカには今でも沢山いるのでしょうね。勉強して何らかの仕事に就くのか、この本の主人公のように旅に出るのか?
自由であるということは、すべてを自分で決めなければいけないのです。
誰かに引いてもらったレールの上を不平を言いながら歩いていくのか?リスクを承知で自由に生きるのか?
Live Free or Let Die
この本を読んで、わたしは自由を追い求めたいという気持ちが増々強まってきました。
1700冊目(今年47冊目)☆☆☆☆☆
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