『心臓異色』 中島たい子
この本に収録されているのは、以下の6作品です。
- 家を盗んだ男
- ディーラー・イン・ザ・トワイライト
- それが進化
- 心臓異色
- 踊るスタジアム
- ボクはニセモノ
- いらない人間
本のタイトルにもなっている「心臓異色」は、中古の人工心臓を移植した人の性格が変わってしまうという話なのですが、臓器にも人格が存在するのかもしれないという想定は、妙に説得力がありました。
そして「踊るスタジアム」は、東京オリンピックの新スタジアムを巡る騒ぎを彷彿とさせる作品ですが、こういう解決方法もあるかもねと思わせる作品でした。
「ボクはニセモノ」は今から900年ほど未来のお話。遺跡から発掘されたレコードのジャケット写真の女性に恋をしてしまいます。その人に会ってみたいと思う余り・・・
星新一を思い出してしまうような、不思議な気持ちが湧いてくる短篇集でした。こういう感じ、大好きです!
1708冊目(今年55冊目)☆☆☆☆☆☆
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心臓異色著者:中島 たい子光文社(2015-01-20)販売元:Amazon.co.jp
カコ、ミライ、イマ―― あなたは、どこにいますか。
ユーズド人工心臓を移植してから性格が変わった男は、その心臓の ... [続きを読む]
こんばんは^^お久しぶりです。
中島さんの作品大好きなんです^^
初期の作品は女性の心と体の問題を取り上げた作品が多かったですが、最近はSFというか少し近未来のお話を書かれていて驚いています。
私は星新一さんの作品を読んだことがないのですが、でもとてもわかります。この世界観とても好きでした。
投稿: 苗坊 | 2015年11月29日 (日) 16:44
苗坊さん☆こんばんは
初期の中島さんの作品も面白かったですけど、こういう方向へ向かっているのは、わたしとしてはとても歓迎です。
人間って不思議だなっていう所が基本にあるのでしょうね。
投稿: Roko(苗坊さんへ) | 2015年11月29日 (日) 17:36