『依存症ビジネス』 ディミアン・トンプソン
「依存症」というと、アルコールや薬物のようなものがイメージされますけど、実際にはもっと身近なところに依存症があるのです。
スイーツ、スマートフォン、薬、ゲーム、ブランドもの、ダイエット食品、SNS、占い ... etc.
それなしでは毎日が過ごせないと感じるようなら、自分はそれに「依存」しているのです。依存しているから、そこにお金をつぎ込むことも、時間をつぎ込むことにも、何ら疑問を感じなくなってしまうのです。
依存しているものに関しては、お金を払うことに罪悪感はありません。アイドルと握手をするためにお金を払い、自分を素敵に飾る(と思われる)ブランドものにお金を使うのです。他人から見ればただの無駄遣いかもしれないけど、本人にとっては無くてはならない必要経費なのです。
そこの部分をうまくビジネスにできた人はお金をたくさん集めることができます。なぜなら、依存症の人にとってその出費は永遠に続くものだからなのです。永遠に続くだけでなく、金額が増大することも多いところに、依存症ビジネスの旨味があるのです。
逆に考えると、いかに依存される商品を作り上げられるかが、ビジネスを続ける秘訣なのかもしれません。
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