『生意気』 大橋巨泉
この本は巨泉さんが高校生から大学1年生にかけての日記です。大学ノートに書かれた巨泉さんの日記を読んだ黒柳徹子さんから、生意気なところが面白いから本にしちゃいなさいよと言われて、出版化したのだそうです。
日記の中に出てくる映画や歌舞伎などの評は、確かに高校生とは思えない口調で書かれていて、その後の巨泉さんの活躍を考えると、さもありなんという感じです。
巨泉さんは「自慢ばっかり」と評する人がいますが、それは彼の優秀さを認めていない人のすることだなぁと思うのです。学生時代から家業のカメラ屋の仕事を手伝っていた巨泉さんは、学生ながらに商売っけのある考え方をしていたし、好きなジャンルの勉強は実に熱心なのです。
家業と学校生活の合間に英語を勉強しに行ったり、俳句を読んだり、映画鑑賞や観劇をし、友達と野球やスケートに興じたりしているのです。英語の勉強のためにFENを聞き、そこからジャズを好きになっていきます。
こんなにアクティブに行動できる人って、なかなかいないですよ!
「人間運の総量は同じ」というのが巨泉さんの座右の銘だったそうです。誰にだって同じように運はある、それを生かすかどうか、それだけなんだよということなのでしょうか?
7月12日に82歳で亡くなった巨泉さん、あなたはわたしの憧れの人でした。
1248冊目(今年22冊目)☆☆☆☆☆
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