『永六輔のお話し供養』 永六輔
人が亡くなったときには、その人のことをいろいろと思い出します。でも、月日が経つにつれて忘れてしまうことが多いのです。
亡くなった方のことを時々思い出すこと、それも一つの供養だとこの本の中で永さんはおっしゃってします。
この本の中で語られている方々(渥美清、淀川長治、石井好子、坂本九、中村八大、いずみたく、岸田今日子、立川談志)のエピソードは、面白いだけでなく、いろいろと考えさせられることがたくさんありました。
特に立川談志師匠と永六輔さんは「犬猿の仲」であるというフリをしていたという話は面白かったですねぇ。どちらも歯に衣を着せぬ物言いでしたから、言い合いなどもきっとあったのでしょうけどね。世間が「あいつらは仲が悪い」と思っているなら、そう思わせておけばいいじゃないかと、お互いに思っていて、そういうことにしておいたっていうのは、なんだか落語のネタみたいで面白いですねぇ。
それぞれの方たちとの出会いが、必ずしも仕事がらみではない辺りが、他人との縁とは不思議なものだと思うのです。
7月7日に永さんが亡くなられました。病気をされてからも精力的にいろんなところへ出かけて行かれた永さんを尊敬しています。これからも、時々思い出しますからね。安らかにお休みください。
1247冊目(今年21冊目)☆☆☆☆☆
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