『価格の心理学』 リー・コールドウェル
商品の価格というのは不思議なもので、漠然と価格を提示されただけでは高いかなぁと思うものでも、比較するものが出てくると急にお得な気がしてしまうことがあるのです。
旅行へ行ったときに何故かおみやげをたくさん買ってしまうのは何故なんだろうと思うことはありませんか?高い交通費や宿泊費を払った後だと、おみやげの金額など大したことないやと思えてくるのです。
うな重に松竹梅の3クラスがあったら、真中の「竹」が一番売れるというのも、比較するものがあるからこその選択です。たとえば、うな重2,000円という単一のメニューが提示されるよりも1,000円、2,000円、3,000円という3つの選択が提示されたほうが、同じ2,000円なのに「そんなに高くないなぁ」という気持ちが生まれるのです。
もちろん一番高いのが好きという人もいるけれど、あえて一番安いのを選択する人は割と少ないのです。結果として真中の選択に人気が集中するというのが「心理」なんですね。
選択肢の数も大事なことであるようです。3つだから短い時間で決断できるけれど、選択肢が10もあったら、それを検討するだけでも時間がかかります。決断力のない人だと、いつまで経っても決められなくて、その買い物を諦めてしまうかもしれません。
売る側の都合ではなく、買う側の心理を考えて価格を決めること、それが商売の正しいあり方であると、この本は教えてくれました。
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