『降りてくる思考法』 江上隆夫
すべての人間は考えることが苦手だ(本文より)
日常、わたしたちは様々な場面で判断をしています。とはいっても、一つ一つに時間をかけて考えていたら時間がいくらあっても足りません。ですから、無数の「ワク組み」を自分の中に作ってしまっています。何かあった時にはすべてワク組みのルールで片付けようとするわけです。
変える
このワク組みは一見便利なように見えて、実は困ったものなのです。何か変わったことをしようとするとき、このワクからはみ出ることを怖がってしまったり、ワクの外が見えなくなったりするから、新しいアイデアが生まれなくなってしまうのです。
ワクからはみ出すためには、何かを変えればいいのです。名前を変える。相手を変える。形を変える。大きさを変える。そうすることによって、これまで固定されていたイメージが変わります。イメージが変われば、自分と相手の関係性さえも変わってくるのです。
捨てる
何か新しいことをしようとするとき、ついついプラスすることばかり考えてしまいます。逆にマイナスする(捨てる)ことによって、違うものが生まれることだってあるんです。
「前提条件を捨てる」ことによって、何かが変わる
昔は就職活動をするときのスーツの色はグレーか紺でした。でも、現在のリクルートスーツはほとんどが「黒」です。これは学生さんたちの頭の中に「就活のスーツ=黒」という公式
が出来上がってしまっているからですよね。こんな今だからこそ、黒以外の色で勝負するってアリなんじゃないですかね?
優れたアイデアに前例はない
今までにないものとして考えられたのがアイデアであるなら、前例などないのが当たり前です。なのに「前例がない」と反対するのは愚の骨頂です。でも、世の中にはそういう人が大勢います。そんな人たちを説き伏せるのか、無視するのか、とにかくそこを突破する努力をするかどうかが人生の分かれ道なのです。
それを怖れてしまったり、面倒くさがってしまったり、避けてしまったりするのは簡単です。でも、それじゃ何も変わりません。せっかく面白いアイデアを見つけても、それを実現できなかったら意味ないじゃありませんか。
誰もやっていない、だからやってみよう!と突き進むことこそが、自分を生かしていく唯一の方法なのだと思うのです。
R+(Reviewplus) さんからこの本を提供していただきました、ありがとうございます。
1284冊目(今年2冊目)☆☆☆☆☆
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