『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』 手嶋 龍一
ピーター・バラカンさんのラジオ番組のゲストとして出演していた手嶋さんのお話が余りに面白かったので、この本を読んでみました。
スパイになる資質が、イギリスの寄宿舎生活から培われるという話が興味深かったです。本来は上流階級の子弟を育てるためのシステムなのに、違う部分が発達してしまうというのが、なんともイギリス的だなと思います。
親元から離れた子供ばかりの社会だから、友達との関係はとても重要なものです。でも、友達であっても本当のことはお互いに知らない。建前と本音が常に存在する。自分のポジションをどこに置くかを常に意識している。詐欺師としての訓練には最高の場所だというのです。
現代のスパイはITを駆使してというイメージがありますが、やっぱり交友関係から得る情報が重要なようです。
時代がどう変わろうと、なくならない仕事であることは間違いありませんね。
1298冊目(今年16冊目)☆☆☆☆☆
« 『ブランケット・ブルームの星型乗車券』 吉田 篤弘 | トップページ | 『ありのままの私』 安富 歩 »
「日本の作家 た行」カテゴリの記事
- 『どろろ 1』 手塚治虫 212(2022.08.07)
- 『川まつりの夜』 岩城範枝 出久根育 210(2022.08.05)
- 『BLACK JACK 7』 手塚治虫 203(2022.07.29)
- 『スピリチュアルズ 「わたし」の謎』 橘玲 208(2022.08.03)
コメント