『舟を編む』 三浦 しをん
辞書を作るという仕事は、果てしない言葉との闘いなのですね。
「新しい言葉を採用するかどうか」「使わなくなってしまった言葉を削るのか残すのか」「言葉の意味をどこまで掘り下げていくのか」、そして「辞書を引いてくれた人にとって分かりやすい表現とはどういうことなのか」それらを常に考え続けなければならないのです。
専門家に依頼したからといって、そのまま採用できるような原稿を書いてもらえる保証はないし、どんな名文であっても字数制限で削らなければならないこともあるし。
大変なお仕事だけど、地味であり、お金と時間が膨大にかかる。実に厄介な仕事です。でも、魅力的な仕事であるのは間違いありません。
地味になりがちなテーマなのに、これだけ面白く読み進められるのは、著者の辞書に対する愛があるからなのでしょうか?あっという間に読み終えてしまいました。
1302冊目(今年20冊目)☆☆☆☆☆
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» 「舟を編む」 三浦 しをん [日々の書付]
三浦しをんさんの「舟を編む」読了。辞書編纂という未知の世界と、言葉への愛がつまっています。辞書の薄くなめらかな紙の触感と、整然と並んだたくさんの言葉。読んでいるうちに、久しぶりに辞書を引きたくなりました。
タイトルの「舟を編む」は、辞書は膨大な言葉の海を渡るための舟である。という意味。
そして、その舟は、もっともふさわしい言葉で、正確に、思いを誰かに届けるために存在する。自分ではなく、相手のために。
「船」ではなく「舟」なのは、それだけ言葉の海が果てしないから、なのでしょうね。
... [続きを読む]
» 「舟を編む」三浦しをん [心に残る本]
三浦しをんの「舟を編む」を読みました。
大手総合出版社玄武書房の辞書編集部を舞台に、引退前の編集者荒木、新しく配属された変人編集部員馬締(まじめ、と読む)、辞書編集部から異動になる西岡、13年後に新しく配属された岸辺、と何人かの視点から、辞書作りの苦労が描かれる。言葉、そして辞書に対するこだわりや思い。辞書を作るという一つのプロジェクトを完遂させるために必要なチームワーク。
辞書編集...... [続きを読む]



辞書編纂は、膨大な時間と莫大な労力がかかっているのですね。辞書のための紙制作のとことも、プロジェクトX並みの企業努力がなされているんですね。
タイトルの「舟を編む」というのは、辞書が、広大な言葉の海を渡るための小さな舟にたとえられているのじゃないかと思います。
投稿: 日月 | 2017年8月 7日 (月) 22:31
日月さん、お久しぶりです☆
辞書を開くということが、めっきり減った今日この頃だからこそ、こういう物語に心惹かれるのかもしれません。
言葉の海を渡る小さな舟って、何だかロマンチックですね♡
投稿: Roko(日月さんへ) | 2017年8月 8日 (火) 10:55