『上を向いて歩こう』 佐藤 剛
作曲:中村八大、作詞:永六輔、歌:坂本九。あまりにも有名なこの曲がどう生まれたのかから始まるこの本は、日本のポピュラーソングやプロダクションやレコード会社が、いかにして出来上がっていったのかを紐解く本です。
元々はミュージシャンだったけれど、それよりもプロダクション業務に才能があった渡辺晋。ジャズピアニストとしての才能に溢れていたのに、何故か薬物中毒になってしまった中村八大。安保闘争に燃えていた永六輔。これまで知らなかった事実がたくさん登場します。
二枚目でもないし、音域が広いわけでもない。でも、坂本九のリズム感に才能を感じたという中村八大の感性が、時代を作っていったのでしょうね。
ロカビリーやジャズの歌手たちがTVという媒体を通して有名になっていく、「アイドル」というスタイルの原点がこの時代に出来上がっていったということがよく分かります。
永さんの歌詞が先にできていても、八大さんは曲を作っていくなかで歌詞をドンドン変えてしまうという話も面白かったです。
TVという媒体が崩壊しつつある今、こういう歴史を紐解くのも面白いものですね。
1308冊目(今年26冊目)☆☆☆☆☆
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