『認知症になったわたしが伝えたいこと』 佐藤雅彦
佐藤さんは、最初は単に物忘れがひどいなぁぐらいだったのに、だんだんと症状が重くなり、病院で診断を受けました。そして、若年性アルツハイマー型認知症だと診断されました。その時51歳でした。けれども、一人暮らしを続けたいと考えた佐藤さんは、自分に足りないものをいかに補ってもらうのかを試行錯誤しました。
他人に助けてもらうこと、道具に助けてもらうこと、そして自分の考え方を変えることによって、一人暮らしが成立しているのです。
認知症は、過去の記憶を取り出すことができなくなってしまう病気です。過去の経験を踏まえて行動することができないので、いつも初めての体験であるという「恐怖」と闘わなければならないのだそうです。その恐怖の余り、決まったパターンの生活しかできなくなってしまう人が多いのだそうです。
講演活動もされている佐藤さんに「認知症の人がそんなに活動的なことができるわけがない。実は仮病なのではないか?」とバッシングするする人がいるのだそうです。
認知症という病気になったら、もうお終いという間違った認識を持っている人が余りにも多いからこういうことが起きるのだと佐藤さんはおっしゃっています。記憶という機能がうまく働かなくなるだけで、残された能力をフルに発揮すれば、ある程度の社会活動は可能なのだということを多くの人に伝えるために、佐藤さんは頑張っていらっしゃいます。
認知症をただ恐れるのではなく、正しく理解することこそが、高齢化社会を明るく生きていく秘訣なのかもしれないと感じました。みんなで助け合って生きていく社会こそが、これからの日本の目指すところなのだと思います。
1321冊目(今年39冊目)☆☆☆☆☆
« 『聖☆おにいさん 14』 中村光 | トップページ | 『BLUE GIANT 1』 石塚 真一 »
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『なぜ野菜売り場は入り口にあるのか』 白鳥和生 26-4-3763(2026.01.05)
- 『治したくない ひがし町診療所の日々』 斉藤道雄 25-335-3731(2025.12.03)
- 『アシタノユキカタ』 小路幸也 25-333-3729(2025.12.01)
- 『版元番外地 <共和国>樹立篇』 下平尾直 25-322-3718(2025.11.20)
- 『黄色いポストの郵便配達』 斉藤洋、森田みちよ 25-313-3709(2025.11.11)



コメント