『愛のゆくえ』 リチャード・ブローティガン
この本の原題は「The Abortion(堕胎)」です。
ガールフレンドが妊娠してしまって、その子を堕胎するために2人でメキシコへ行くことになるのですが、この2人に悲壮感は全くないのです。心配しているのは、初めて飛行機に乗るんだけど大丈夫かしらとか、お金が余りないこととか、彼女が美しすぎてあらゆる場所で出会う男たちが言い寄ってくるとか(笑)
何だか不思議なお話です。不思議だけど、妙に惹かれるのが主人公の職業です。
彼は図書館で働いているのですが、その図書館が実に変わっています。一般の人が書いた本をこの図書館へ持ち込んできます。自分の名前と本の名前を登録し、その本を好きな本棚に置いて行きます。この図書館は、本を借りるための図書館ではなく、本を収めるための場所なのです。
1970年にアメリカ西海岸で書かれたこの本、こだわりがあるような、でも全体的にはゆるいような、当時の青年たちに思いを馳せてしまいました。
1340冊目(今年58冊目)☆☆☆☆
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