『ぶたぶた』 矢崎 在美
バレーボールくらいの大きさのピンクのぶたのぬいぐるみ、名前は「山崎ぶたぶた」です。彼は見た目は可愛いのですが、中身は中年のおじさんです。あっ、でも性格は見た目と同じで可愛いんです。
彼はいろんな場所に出没します。そして、彼に出会った人は皆、どうしていいのか分からなくなります。どうして彼はここで働いているのだろう?とか、どうして話ができるんだろう?とか、コーヒーを飲んでも染み出てこないのはなぜなんだろう?とかね。
人を見た目で判断しちゃいけないとは分かっていても、彼の姿が人ではなくてぶただから、どうしようもなく困惑してしまうのです。でも困っているのは人間の側だけで、本人(本ぶた)はちっとも困っていません。軽いから風に飛ばされやすいとか、小さいから高いところのものが取れないとか、物理的なことで困ってるだけ。
図書館に勤めている友人に薦められて読んでみたんですけど、なんだか「ボッコちゃん」ぽいなぁって感じました。不思議な感じです。
1353冊目(今年8冊目)☆☆☆☆
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