『ぶたぶた』 矢崎 在美
バレーボールくらいの大きさのピンクのぶたのぬいぐるみ、名前は「山崎ぶたぶた」です。彼は見た目は可愛いのですが、中身は中年のおじさんです。あっ、でも性格は見た目と同じで可愛いんです。
彼はいろんな場所に出没します。そして、彼に出会った人は皆、どうしていいのか分からなくなります。どうして彼はここで働いているのだろう?とか、どうして話ができるんだろう?とか、コーヒーを飲んでも染み出てこないのはなぜなんだろう?とかね。
人を見た目で判断しちゃいけないとは分かっていても、彼の姿が人ではなくてぶただから、どうしようもなく困惑してしまうのです。でも困っているのは人間の側だけで、本人(本ぶた)はちっとも困っていません。軽いから風に飛ばされやすいとか、小さいから高いところのものが取れないとか、物理的なことで困ってるだけ。
図書館に勤めている友人に薦められて読んでみたんですけど、なんだか「ボッコちゃん」ぽいなぁって感じました。不思議な感じです。
1353冊目(今年8冊目)☆☆☆☆
« 『最強の独学術』 本山 勝寛 | トップページ | 『夜想曲集』 カズオ・イシグロ »
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『モヤモヤそうだんクリニック』 池谷裕二 ヨシタケシンスケ(2021.01.18)
- 『皮膚は「心」を持っていた!』 山口創(2021.01.10)
- 『という、はなし』 吉田篤弘 フジモトマサル(2020.12.26)
- 『理解という名の愛がほしい。』 山田ズーニー(2020.12.03)
コメント