『築地魚河岸ブルース』 沼田 学
築地市場駅から地上に出ると、たくさんのターレーがガソリンスタンドに集まっていて、これを見ると「ああ、築地に来たなぁ」と実感するのです。
暑い日も寒い日も、築地にはターレーで疾走する人がたくさんいます。その姿を見るだけで、何だか嬉しくなってしまうわたしがいます。若い人も、年取った人も、みんなカッコよく走っています。この人たちがみんな豊洲に行っちゃうのかと思うと、何だか寂しくなってしまいます。
築地は銀座からすぐのところにあるから、映画を見た帰りなんかにちょっと築地へ寄ってみようかなと歩いて行けるけど、豊洲だとそうはいきません。わざわざ行かなきゃならないとなると、ほとんど行かないだろうなぁって思います。
秋葉原に会ったやっちゃば(神田青果市場)が無くなって久しいですが、あんな風に忘れられちゃうのかなぁ?それとも築地っていう場所は、形を変えて生き残るのかなぁなんて、いろいろ想像してしまいます。
築地という地名は残るだろうけど、この写真集に登場している人たちの歴史はちゃんと残してくれるのかなぁなんてことも考えます。
本の帯にも書かれてますが、築地で撮った写真なのに魚はちっとも写ってません。写っているのは築地を支えてきた人たち。ここで働く人たちはみんなカッコいいのです。
この本は 書評サイト 「本が好き!」 より提供して頂きました。どうもありがとうございました。
1357冊目(今年12冊目)☆☆☆☆☆
« 『東京 わざわざ行きたい街の本屋さん』 和氣 正幸 | トップページ | 『断片的なものの社会学』 岸 政彦 »
「デザイン・アート・写真」カテゴリの記事
- 「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」展図録 230(2023.08.19)
- 『東京のかわいい看板建築さんぽ』 宮下潤也 235(2023.08.23)
- 『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』 川内有緒 230(2023.08.18)
- 『まねっこカメレオン』 リト 221(2023.08.09)
- 『絵とき百貨店「文化誌」』 宮野力哉 224(2023.08.12)
「日本の作家 な行」カテゴリの記事
- 『トラとミケ 4 やさしい日々』 ねこまき 331(2023.11.28)
- 『トラとミケ 3 ゆかしい日々』 ねこまき 318(2023.11.15)
- 『お家賃ですけど』 能町みね子 312(2023.11.09)
- 『トラとミケ 2 こいしい日々』 ねこまき 306(2023.11.03)
コメント