『美しいものを-花森安治のちいさな絵と言葉集-』 花森 安治
暮らしの手帖の初代編集長であった花森さんは、美しいものが好きな人でした。決して特別なものではなく、日常にある美しさを見つけることが大好きだったのです。
この本の中にはそんな花森さんのエッセンスが詰まっています。
わずかな布が、わずかな色糸が、
ひときれの紙が、木屑が、
あざやかにかがやかせるその手を
あなたは信じるだろうか
その手は、あなたの手です。(本文より)
自然にあるものも美しいし、誰かの手によって作られたものも美しいのです。そして、それを作り上げるその手も美しいのです。
個性とは欠点の魅力である
個性とは、その人しか持っていないもの。ところが本人にとっては欠点として捕らえられてしまっていることが多いのです。他人と違うことを良しとしない人が多いということなのでしょうか。それは実にもったいないことです。
自分はこれしかできないから、違うことを狙っていてもどうしてもこうなってしまうから、それが個性なのです。それが自分らしさなのです。それがその人独自の美しさなのです。そんなことを花森さんがおっしゃっているような気がします。
1369冊目(今年24冊目)☆☆☆☆☆
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