『50代から始める知的生活術』 外山 滋比古
人によって多少の差はあれ、60代で定年を迎える方は多いと思います。「さぁ、これからのんびりしまくるぞ~!」と考えるてる男性のみなさん、それは危険ですよと外山さんはおっしゃっています。
忙しく働く毎日があったからこそ、たまの休みの「のんびり、ゴロゴロ」が楽しかったのであって、のんびりした日が永久に続くとなると、それはとんでもないことだというのです。家の外に出る用事がなければ、結果として引きこもりになってしまう可能性が高いし、家族からは迷惑がられるし、ロクなことにならないのです。
定年になってからやりたいことを、早めの段階で見つけておくこと、外に出る用事を作ること、規則正しい生活を崩さないこと。それなしに元気で楽しいリタイア生活などないというのです。
とても良く分かります。女性は何かとやることがあるから、会社へ行かなくなって急にどうしていいのか分からなくなるということはありませんけど、仕事しかしてこなかった男性は身の振り方に悩むのでしょうね。
頭も身体も使わないでいると衰える一方です。無理をしない程度にちゃんと使い続けることは、老後にとって大事なことなのです。ただ長生きすればいいというものではありません。元気でいられなかったら長生きしても楽しくありません。
この本を書かれた時点で外山さんは91歳。こんな老後なら楽しいだろうなと思えます。明るい老後を送るには、今からやっておかなければならないことがたくさんあります。
1372冊目(今年27冊目)☆☆☆☆☆
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