『テーラー伊三郎』 川瀬 七緒
テーラー伊三郎は、注文紳士服の店でした。ところがある日、女性の下着である「コルセット」が店のウィンドウに飾られたものだから、商店街は大騒ぎ!商工会の人たちがやってきて、伊三郎さんの頭がおかしくなったんじゃないか、あんなディスプレイは青少年に見せちゃいかん!って怒鳴り込んできたのです。
主人公のアクアマリン君は団地に住む高校生、お母さんと2人暮らしです。彼は伊三郎さんの店のウィンドウを見て衝撃を受けます。これは何なんだ~!スゴイ!!
これまでずっと、目立たぬように地味に暮らしてきたアクア君ですが、同級生の明日香と共に伊三郎さんの店をなんとかしようと奔走するうちに、いろんなアイデアが湧いてきて、少しずつ積極的な気持ちになってくるのです。そして、そんな毎日が楽しいと感じてくるのです。
クラスの中でいじめられないように、浮かないようにってことばっかり考えている子って、きっと世の中に沢山いるのでしょうね。そんな子たちにも何か見つけて欲しいなぁと思います。勉強だけがすべてじゃないからね。何かに向って突き進むことが一番だよって気づかせてくれる一冊でした。
1379冊目(今年34冊目)☆☆☆☆☆
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